既往症に対する健康保険の取り扱い
長期間失業し保険未加入だった人が慢性疾患の治療を受ける際、保険加入までに数か月以上の待機期間が必要になることがあります。新しい勤務先で団体健康保険に加入できても、既往症に対する給付開始までに最大1年待たされるケースがありました。これらは、米国の医療保険改革法(PPACA)が施行されることで徐々に解消されます。
既往症除外の廃止
2010年3月23日、バラク・オバマ米大統領は、団体健康保険や保険会社が新規加入者に対して既往症を理由に保険適用を拒否・遅延させることを禁止する法律に署名しました。米国上院民主党の報告書によれば、肥満・高血圧・糖尿病・心血管疾患・精神疾患などが主な除外対象となっていました。
2010年からの給付開始
既往症除外の全面禁止は2014年に本格施行されますが、2010年7月1日からは、6か月以上保険未加入だった慢性疾患患者向けの臨時保険プログラムが開始されました。また、2010年9月23日以降、19歳未満の子どもへの既往症除外は禁止され、扶養家族の保険適用年齢は26歳まで拡大されました。
PPACAの主な規定
この医療改革法は、保険の生涯給付限度額を廃止し、2014年までに年間給付限度額も撤廃します。さらに、加入者が病気になった後に保険会社が契約を取り消す(リセッション)ことや、保険料を健康状態・性別・家族歴・職業で差別的に設定することを禁止します。
早期適用
PPACAは1996年の医療保険の携帯性と責任に関する法律(HIPAA)を踏まえて制定されました。HIPAAでは、既往症に対する給付開始の待機期間は最大12か月と定められていますが、一部の保険会社はPPACAの規定を正式施行前に導入する意向を示しています。
HIPAAのポータビリティ規定
HIPAAに基づき、加入者が新たな団体保険に加入してから6か月以内に既往症と診断された場合、保険会社は最大12か月の給付待機期間を設定できます。加入前に保険に加入していた期間は、この待機期間に充当されます。逆に、加入前63日以内に保険未加入だった場合は、既往症に対する給付が開始されるまでに1年待たされることがあります。
