中絶と健康保険の補償に関する論点
中絶手術を保険でカバーすべきかは、米国の医療制度において長年議論されてきた重要な論点です。公的保険と民間保険の両方が、手術費用を負担できるかどうかは、法律や政策の変遷と密接に関係しています。
歴史
- 1945年のマッカラン‑ファーガソン法により、各州は保険会社を規制する権限を得ました。1973年に中絶が非犯罪化された後、州は民間保険が中絶を提供することを制限できるようになりました。1976年、ヘンリー・ハイド下院議員が提案したハイド修正条項は、連邦資金による中絶支援を制限し、2010年時点ではレイプ、近親相姦、母体の生命が危険にさらされた場合のみメディケイドが資金提供できます。
意義
- プロチョイス団体NARALによると、中絶費用は妊娠週数により300〜1,000ドルと幅があります。高額な費用が低所得女性の受診障壁となり、ハイド修正条項がメディケイド資金を制限することで格差がさらに拡大しています。
特徴
- NARALの調査では、17州が公的・民間の従業員が中絶保険を受けられないよう法律で制限しています。連邦職員は中絶をカバーする健康保険プランを選択できず、軍人・退役軍人とその扶養家族も軍の医療制度で中絶カバーは認められていません(例外は母体の生命が危険な場合)。
検討事項
- 保険会社は経済的観点から中絶カバーを判断します。政府職員がカバーできないプランを選べないことは、保険会社にとって除外のインセンティブになります。一方、フルターム妊娠に伴う医療費は中絶費用をはるかに上回るため、費用削減の観点からカバーする動機もあります。
誤解
- 2010年の米国医療改革法(ACA)により、州が中絶保険カバーを禁止できることが明確化されましたが、実は州はすでに何十年も同様の権限を持っていました。2010年時点で、アイダホ、ケンタッキー、ミズーリ、ノースダコタ、オクラホマの5州は民間保険の中絶カバーを禁止しています。これらの州は母体の生命が危険な場合のカバーは認め、オクラホマはレイプ・近親相姦の場合も例外としています。
