世界で最も成功した国民医療システム

2000年に世界保健機関(WHO)は、世界各国の国民医療システムを分析し、最も成功した医療制度を持つ国としてフランス、イタリア、スペイン、オマーンの4か国を挙げました。評価項目は、国民の健康状態、健康格差、医療への期待への対応、財政の公平性などです。

フランス

フランスの医療制度は公的保険と民間保険が混在するハイブリッド型です。ほとんどの人は雇用主を通じて保険に加入し、無保険者はほとんどいません。国の健康保険は入院費用の最低70%を負担し、残りは手頃な民間保険がカバーします。重度で高額な治療が必要な患者については、政府保険が全額を負担します。こうした充実した給付にもかかわらず、医療費は米国の約半分に抑えられています。

イタリア

1978年に創設されたイタリア国民保健サービス(SSN)は、すべてのイタリア国民に健康保険を提供しています。制度は分権化されており、地域レベルで多くの機能が運営されています。民間保険は雇用主が提供することがありますが、利用者は全体の約35%にとどまります。政府はプライマリケアと入院治療の費用を全額負担し、薬剤や高度検査は最大30%の自己負担が求められます。ただし、子どもや高齢者などの脆弱な層は自己負担が免除されます。

スペイン

スペインもイタリア同様、全国民を対象とした公的医療制度を持ち、地域ごとのニーズに合わせて分権化されています。「エリア・デ・サルッド」と呼ばれる地域保健エリアが医療サービスの基礎です。民間保険は待機時間の短縮などの目的で利用されますが、政府が提供する医療の質は民間と遜色ありません。

オマーン

WHOによれば、オマーンは1970年代まで医療水準が低かったものの、石油収入による投資で急速に医療制度を整備しました。政府が運営するコミュニティヘルスセンターが一次医療の中心となり、オマーン国民だけでなく外国人居住者にもサービスを提供しています。その結果、5歳未満児の死亡率は過去30年で94%減少しました。なお、1人当たりの医療支出は年間わずか390ドルです。

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