米国医療制度の実情

米国の医療制度は、自由市場という資本主義モデルに基づいており、ほとんどの医療サービスは政府ではなく民間の法人が提供しています。個人は自ら保険を購入するか、雇用主を通じた団体保険に加入し、医療費の補償を受けます。

自由市場

米国では医療が自由市場で提供されているため、患者は自分で診療所や病院、関連サービスを選択できます。政府が提供する全国的な医療保険はありませんが、シニア層向けのメディケアや低所得者向けのメディケイドといった連邦プログラムが一部をカバーしています。

政府の規制

医薬品や医療機器の安全性・有効性は、主に連邦食品医薬品局(FDA)が監督します。新薬はFDAの承認を得るまで市場に出せません。

民間の規制

民間団体の規制も幅広く行われています。米国医師会(AMA)は医師の資格認定や専門医の審査を行い、米国医科大学協会(AAMC)は医学校の認定を担当しています。

医療費の高さ

米国は先進工業国の中で最も医療費が高く、2008年の平均年間支出は1人当たり7,000ドルを超えました。先端技術の導入、行政手続きのコスト増、未保険者への費用転嫁などが要因です。

保険制度

全医療費の約36%は保険会社が負担しています。雇用主が従業員に保険を提供するケースが多い一方、4,300万人以上が無保険で、全額自己負担を強いられています。

2010年医療改革法

2010年3月23日、オバマ大統領は包括的医療改革法(通称「オバマケア」)に署名し、すべての米国民に手頃な保険オプションを提供し、メディケア・メディケイドのサービス向上を目指しました。主な内容は低所得者への補助金、既往症を持つ人への保険加入義務、従業員50人以上の企業に対する保険提供義務です。

以上のように、米国医療は市場原理と多層的な規制・保険制度が交錯する独自の構造を持ち、費用負担の高さが大きな課題となっています。

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