HMO(健康維持組織)保険とは?制度の概要と特徴

歴史

1930年代以前、米国では個々の医師と直接契約し、個人プランで医療費を支払っていました。1930年代後半にグループヘルス・アソシエーションなどの協同組合型健康保険が誕生しましたが、多くは依然として個人医師との契約が主流でした。医療費が高騰した1960年代後半になると、起業家ヘンリー・カイザーが提案したHMO(Health Maintenance Organization)型のプランが注目され、加入が拡大しました。

HMO法(1973年)

1973年、リチャード・ニクソン大統領はHMO法に署名し、HMOの普及を法的に後押ししました。当初は米国医師会(AMA)など専門職団体から反発がありましたが、患者への医療水準低下への懸念を払拭できずに広がり、30年後には民間健康保険を上回り、8,000万人以上が加入する規模となりました。

参加対象者

HMOは毎年一定期間に雇用主が実施するオープンエンロールメントで加入できます。通常、年末の4〜6週間が対象です。従業員は新規加入やプラン変更が可能で、個人事業主やフリーランス、組合員も直接または組合経由で加入できます。Aetna、Blue Cross & Blue Shield、Cigna など大手保険会社はウェブサイトから随時加入受付を行っており、自己加入の場合は保険料と手続きの全てを自分で管理します。雇用主経由の場合は、給与からの天引きや書類手続きの多くが企業側で処理されます。

ネットワーク

HMOに加入すると、ネットワーク内の提携医師を通じて医療サービスを受ける必要があります。プライマリケア医が定期検診を行い、専門医(例:心臓専門医)への紹介状を発行します。ネットワーク外の医師にかかった場合、自己負担が発生するか、原則として保険適用外となります。

留意点

患者情報のプライバシーは一部で懸念されています。雇用主経由で加入した場合、診療記録は医療提供者間でやり取りされ、本人が直接コピーを受け取る機会は少ないです。また、近年は保険料が上昇傾向にあり、低所得者層や自営業者にとって負担が大きくなるケースがあります。

メリット

最大のメリットはコスト削減です。多数の雇用主と従業員が一括で加入することで、保険料が抑えられます。さらに、雇用主が手続きを代行するため、診療時に余計な書類作業が減り、利用者はスムーズに医療サービスを受けられます。

HMO - 関連記事