メディケアにおける観察ステータスの規制と要件
CMS(メディケア・メディケイドサービスセンター)は、入院決定を行うまでの短期治療・検査を「観察ステータス」と定義しています。症状の重症度に応じて、より集中的な治療が必要と判断されれば入院ステータスへ変更され、そうでなければ退院となります。
滞在期間
- CMSのマニュアルでは、観察ステータスは原則として24〜48時間以内とされています。患者の症状の重症度、悪化の可能性、必要な手技や検査、病院の方針を総合的に判断し、担当医が決定します。24〜48時間を超えて治療が必要な場合は、入院ステータスへの変更が求められます。
病院側の規制
- 医師が観察ステータスと判断した場合、病院は患者に対し「事前受益者通知(ABN)」を交付し、Medicare の給付限度を超えるサービスがカバーされない旨を通知しなければなりません。
- Medicare法により、患者が医療上の必要性がないと判断されたサービスについて事前に知らされていなかった場合でも、当該サービスに対する支払いは原則として行われます。患者負担が発生するのは、事前に書面で通知が行われた場合に限られます。
- 病院の利用審査委員会が、患者の滞在を入院から外来観察に変更した場合も、書面で変更旨と未給付の可能性を患者に通知する必要があります。
熟練看護施設(SNF)への転院規制
- 患者が病院から熟練看護施設へ転院する際、Medicareは入院ステータスで最低3日間滞在していることを条件としています。観察ステータスの場合は、適切なタイミングで入院ステータスへ変更し、3日以上の入院が確認できて初めて費用が支払われます。
- 過去の事例では、観察ステータスから入院ステータスへの変更が行われていないためにカバーが否認されるケースが多く見られました。そのため、一部施設では「Medicare給付除外通知(NEMB)」を患者に交付し、患者が自己負担でサービスを受けるか、請求を行わないかを選択できるようにしています。
