小児期に発症する双極性障害
かつては成人のみの疾患と考えられていましたが、双極性障害は子どもにも発症します。米国では6歳児からでも見られ、子どもの約7%がこの複雑な障害に罹っているとされています。子ども本人や家族にとっては不安な病気ですが、適切な支援と治療により多くの場合改善が期待できます。
誤診のリスク
双極性障害は注意欠陥・多動性障害(ADHD)と誤診されやすいです。イライラや過剰なエネルギーは両者に共通するため、区別が重要です。ADHDは双極性障害と併存することも多く、誤った診断で不適切な治療を受けると、効果がないばかりか危険を伴うこともあります。また、対立挑戦性障害(ODD)と似た行動パターンを示すこともあるため、慎重な評価が求められます。
子どもに現れる症状
大人とは異なり、気分の浮き沈みだけでなく、激しい癇癪、分離不安、年齢に不相応な性的行動が見られることがあります。
空想的な妄想(飛べる、他人の心を読む)や、夜驚症・凶悪な悪夢が頻発し、絵や遊びにそれが表れることがあります。
過剰におしゃべりで創造的な活動に没頭したり、極端に落ち込んだりし、若年でも自殺念慮が見られることがあります。
双極性障害は誰に起こるのか
男女の発症率はほぼ同等で、人種・収入・社会的地位に関係なく発症します。米国国立精神衛生研究所の研究によると、遺伝的要因が強く、親のどちらかが双極性障害を持つ場合、子どもの発症リスクは15~30%です。両親ともに患っている場合は、リスクが50~75%に上昇します。遺伝が関係しないケースも存在します。
支援を求めるには
まずは小児科医に相談しましょう。小児科医は子どもの日常や健康状態を把握しており、必要に応じて小児心理士や発達小児科医への紹介を行います。診察前に十分な睡眠を確保させ、血液検査などで身体的な原因を除外できるよう準備してください。診察時には症状の詳細や家族歴、過去の精神科的問題について正確に伝えることが重要です。診断には数回の面談が必要になることがあります。
治療法
心理療法では、子どもが自分の症状を認識し、対処法を学ぶ支援を行います。家族療法も推奨され、家族全員が理解し協力できる環境を整えます。
薬物療法は低用量から開始し、必要に応じて徐々に増量します。副作用が現れた場合は速やかに医師に報告してください。
双極性障害は完治が難しいものの、適切な治療により症状はコントロール可能です。早期に支援を受けた子どもは、明るい将来が期待できます。
