ADHDと双極性障害の鑑別診断
ADHD(注意欠陥・多動性障害)と双極性障害は、注意力やエネルギーの変動といった共通の症状があるため、診断が混同しやすいです。しかし、正確な鑑別は適切な治療方針を決める上で不可欠です。
発症年齢
ADHDは主に児童期や思春期に診断され、症状は7歳以前に現れることが診断基準となります。一方、双極性障害は成人期に診断されることが多く、稀に若年で発症する場合もあります。症状が非常に早期に現れる場合、ADHDの可能性が高いと言えます。
機能障害の特徴
ADHDも双極性障害も注意散漫や集中力の欠如により日常生活に支障をきたしますが、双極性障害は躁状態と鬱状態が交互に現れる点が異なります。躁状態では集中力が低下し衝動的になる一方、鬱状態ではエネルギーや希望が失われ、活動が著しく低下します。ADHDでも二次的なうつが起こることはありますが、双極性障害のうつは疾患自体の症状です。
症状が現れる場面
ADHDの診断では、家庭や学校、職場などすべての場面で注意欠陥が認められる必要があります。双極性障害でも同様に機能障害は見られますが、場面が変わると症状が躁・鬱のどちらかに変化し、行動が大きく異なることがあります。
主な見分け方
ADHDは常に注意散漫でエネルギーが高い状態が続きますが、双極性障害は躁エピソードと鬱エピソードが交互に現れます。したがって、躁エピソードの有無が二つの疾患を区別する重要なポイントです。
診断上の留意点
双極性障害の躁エピソードは頻度が低い、または症状が軽度の場合、見逃されやすいです。また、ADHDが双極性障害の発症リスクを高める可能性も指摘されており、完全に切り離すことは難しい場合があります。
