恐怖の次元
恐怖は生存本能の一部で、危険から身を守るために働きます。恐怖が生じたときの体の最初の反応は「闘争・逃走」モードです。手の震え、手のひらの汗、心拍数の上昇、呼吸の速さ、血圧の上昇といった症状が現れ、数秒から数時間続くことがあります。脳が安全だと判断すれば、これらの症状は次第に収まります。恐怖の程度は、軽い心配から極端な偏執まで幅広く分類できます。
心配(Worry)
心配とは、起こる可能性が低いと分かっていても、何か悪いことが起きると想像してしまうことです。恐怖の頭文字を取った「False Evidence Appearing Real(偽の証拠が現実に見える)」という言葉が示す通り、根拠のない不安が心を蝕み、平穏を乱します。
不安(Anxiety)
不安は心配を超えて、気分や思考、行動にまで影響を及ぼします。体に緊張が走り、危険や不幸が差し迫っていると強く感じ、すぐに対処しなければならないという感覚が生まれます。場合によっては精神疾患として診断されることもあります。
恐怖(Terror)
恐怖は、危険が目の前にあるときに感じる極度の恐れです。戦争の恐怖や、犯罪現場で被害者が体験する恐怖、夜驚症や悪夢などが含まれます。実際に危険がなくても、同様の生理的・感情的反応が起こります。
恐怖症(Phobia)
恐怖症は特定の対象や状況に対する強烈な嫌悪感です。飛行、高所、エレベーター、水、ヘビ、蜂、ネズミ、鳥、注射、クモなどが代表的です。恐怖症の人はパニック発作を起こしやすく、震え、息切れ、心拍の乱れ、発汗、胸痛、窒息感などを経験しますが、通常は30分以内に収まります。
偏執(Paranoia)
偏執は統合失調症の一形態で、特定の人物や集団が自分を狙っているという根拠のない恐怖を抱きます。自己防衛と信じて他者に対して極端に敵対的になることがあり、妄想や幻覚を伴うこともあります。
