喪失の5段階とその対処法
大切な人や大切なものを失ったとき、誰もが自然に経験する心理的プロセスがあります。喪失の大きさに関わらず、各段階の強さは「その対象が本人の生活にどれだけ深く関わっていたか」に左右されます。
ショック
クーブラー=ロスのモデルで最初に現れるのがショックです。ニュースに対して無関心になる、皮膚が蒼白になる、瞳孔が拡大するなど、身体的・感情的な反応が見られます。この段階では、静かで安全な場所に座らせ、喪失の事実をゆっくり受け止めさせることが大切です。
否認(ディナイアル)
次に訪れるのが否認です。喪失の事実を受け入れたくなく、普段通りに行動し続けようとします。たとえば、母親が亡くなった直後に仕事へ行き、何事もなかったかのように振る舞うことがあります。否認から抜け出すには、適度な刺激で感情を呼び起こすことが有効です。
怒り
怒りの段階では、原因を誰かや何かに求めて非難します。喪失が自分だけに起きたと感じるためです。少し距離を置き、感情が落ち着く時間と空間を提供することで、次の段階へ進む手助けができます。
交渉(バーゲニング)
交渉は、失ったものと引き換えに何かを得ようとする試みです。「もし〇〇すれば、元に戻ってくれる?」といった思考が典型的です。現実を優しく再認識させることで、抑うつへの移行を促します。
抑うつ(デプレッション)
抑うつは、喪失の深さを実感し、悲しみが顕在化する段階です。仕事を欠勤したり、孤立したり、自殺念慮が現れることもあります。ここで重要なのは、本人が日常生活を続けられるよう支援することです。出勤や友人との交流を促し、徐々に前向きな未来を見えるようにします。
受容
抑うつを乗り越えると、最終的に受容に至ります。喪失を認め、過去と向き合いながら新たな生活に踏み出す準備が整います。受容は健康的な喪失のサイクルの終着点です。
