感情のアフェクト理論 ― 心理学における感情の役割と影響

シルヴァン・S・トムキンス(1911‑1991)が提唱した感情のアフェクト理論は、フロイトのドライブ理論やスキナーの行動主義に代わる新たな視点を提示し、感情そのものが人間経験の主要な動機付けであると主張します。

理論

心理学における「アフェクト」とは、感情や情動の主観的体験を指します。アフェクト理論では、アフェクトは脳にハードワイヤーされた生物学的機能であり、表情によって識別できるカテゴリに分類されます。

タイプ

トムキンスはアフェクトを「肯定的」「中立的」「否定的」の三つに分けました。肯定的アフェクトは喜び、楽しみ、興味、興奮で、笑顔などの表情が現れます。唯一の中立的アフェクトは驚きです。否定的アフェクトは怒り、激怒、嫌悪、苦痛、恐怖、屈辱などがあります。

機能

感情のアフェクト理論は、肯定的アフェクトを最大化し、否定的アフェクトを最小化することが精神的健康の達成につながると主張します。

歴史

トムキンスは1962年と1963年に『Affect Imagery Consciousness』第1巻・第2巻を出版し、感情のアフェクト理論を体系化しました。その後、イヴ・セジウィックやドナルド・ナサンソンなどの知識人が影響を受けました。トムキンスは1991年の死直前に第3巻を出版しています。

可能性・批判

この理論は臨床応用や実務的価値が乏しいと批判されることもありますが、20世紀後半に行動主義やフロイト心理学の支配的地位を揺るがす一因となり、クィア理論やフェミニスト理論などの分野でも活用されています。

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