境界性人格障害と双極性障害を見分ける方法
境界性人格障害と双極性障害は、本人が自覚していない場合も多い精神疾患です。診断が混同しやすく、治療方針が異なるため正確な診断が重要です。
診断手順
1. 診断基準の比較
まず、両疾患の診断基準を比較します。多くの症状は共通していますが、双極性障害の患者は通常、見捨てられることへの過度な恐怖感や慢性的な空虚感は示しません。一方、境界性人格障害の患者はこれらを強く抱えており、理想化と価値の低下(脱価値化)にも陥りやすいです。
2. 自傷行為の有無
境界性人格障害の患者は自傷行為(主に切創)を行うことがあります。これは情動的な苦痛を身体的な痛みで和らげようとするためです。感情が不安定で非合理的な状態になると自傷が増え、自殺リスクも高くなります。ただし自傷は他の精神疾患でも見られるため、唯一の診断基準とはなりません。
3. 職歴・仕事の状況
疑わしい患者の過去、特に職歴を確認します。双極性障害の患者はうつ状態で欠勤が多く、また躁状態で誇大な発言をするために解雇されることがあります。一方、境界性人格障害の患者は怒りの爆発や復讐心から職場でトラブルを起こし、解雇されやすいです。
4. 対人関係の様相
対人関係を観察します。境界性人格障害の患者は極端な喜びと激しい争いを交互に繰り返す、いわゆる波乱の関係が特徴です。彼らは物事を白黒で捉え、灰色の余地がありません。この「全か無か」の思考は対人関係だけでなく生活全般に現れます。
5. ストレスへの対処様式
最後に、さまざまなストレスや状況への対処様式を評価します。境界性人格障害の患者は過剰に反応し、まるでスイッチが入ったかのように性格が急変します。一方、双極性障害の患者は現在の躁・うつサイクルに沿って反応します。
