エビデンスに基づく実践の原則
エビデンスに基づく実践とは、効果が実証された治療やセラピーを用いることです。この概念は疫学者アーチー・コクランが提唱し、医療は最良のエビデンスに基づくべきだと主張しました。コクラン協働は WHO の下で活動する非政府組織です。エビデンスに基づく実践は精神医療で最初に標準化され、実証的に支持された治療(empirically supported treatment)とも呼ばれます。
信頼性と妥当性
米国保健福祉省の Substance Abuse and Mental Health Services Administration(SAMHSA)は、オンラインの全国エビデンス実践・プログラムレジストリ(NREPP)を提供しています。NREPP はエビデンス実践の原則を掲載しており、まず研究は「信頼でき」かつ「妥当」である必要があります。妥当な測定とは、測定したい変数を正しく捉えることです。たとえば、体格や性別を考慮せずにアルコール摂取量だけを測定すれば妥当性が欠けます。信頼性は、研究者が変わっても同じ結果が得られることを指します。
介入の忠実度
心理学など、治療が相互作用や行動を伴う分野では、研究で使用された具体的な手順を正確に再現することが重要です。12ステッププログラム、認知行動療法、行動修正など、どのモデルであれ忠実度を保つことがエビデンス実践の重要な原則です。
生産性・効果・効率性
データ分析により、実践が生産性、効果、または効率性を向上させることが示されなければなりません。例えば、治療後に薬物使用量が減少したり、うつ病に対するある療法が他の療法より少ないセッションで効果を示したりすることです。また、交絡因子が結果の解釈を曇らせていないかも確認します。比較対象群が実質的に異なる(例:年齢や経済状況が大きく異なる)場合、結果は無効となります。
普及準備性
エビデンス実践は実用的で、現場に展開できることが求められます。ノースカロライナ州のコミュニティ矯正部は、オフェンダーを構造化された活動に40〜70%の時間関与させるといった実践例を提示しています。また、オレゴン州子ども・家族委員会は、スキルトレーニングを自然環境で行うことが最も効果的であり、子どものコミュニティ内での実施が容易であると指摘しています。これらの原則は、どの治療を導入・普及すべきかを判断する基準となります。
