健康的な悲しみ
悲しみは普遍的な感情で、誰もがいつかは経験します。愛する人の死、仕事や友情の喪失、故郷を離れ慣れない環境に身を置くことなど、さまざまな出来事が悲しみを呼び起こしますが、その感じ方は人それぞれ異なります。
意味とは
死と向き合う分野の権威、エリザベス・クブラー=ロス博士は、喪失の5段階(否認・孤立、怒り、取引、抑うつ、受容)を提唱しました。
これら5段階はあくまで一般的な概念であり、悲しみの体験は人により異なります。健康的な悲しみは人それぞれ異なる意味を持ちます。精神科医・神経学者のヴィクトール・E・フランクルは「異常な状況に対する異常な反応は正常な行動である」と述べました。つまり、悲しみへの反応は個人差が大きく、予測できません。ある人は各段階を同じ時間で経験するかもしれませんが、隣人は数週間ショック状態が続くこともあります。
社会的な引きこもり、感情的な孤立、ヒステリー、泣き、抑うつ、不安、怒り、衝動制御の喪失、倦怠感、気分の変動などが健康的な悲しみと共に現れることがあります。これらは既存の性格や行動パターンに左右されます。また、同じ人でも状況や頻度によって反応は変わります。
対処法
最近喪失を経験したなら、まず自分に時間を与えることが最も大切です。悲しみの段階を日記に書き留め、直線的に進むと期待しないでください。多くの人は段階を行き来しながら最終的に受容へと至ります。複数の段階を同時に経験したり、すべての段階を経験しないこともあります。段階の説明は参考にしつつ、執着しすぎないようにしましょう。
喪失について話すことも重要です。カウンセリングやセラピーに抵抗があっても、誰かと話すか、日記に書くことで感情を認めることができます。喪失とそれが自分にとって何を意味したかを認めましょう。病気の長期化や友情・キャリアの徐々の喪失でも悲しみは生じます。感情を言葉にすることで、前に進む一歩となります。書き終えたら紙を燃やす・シュレッダーにかけるなど、思いを手放す方法もあります。
健康管理にも注意が必要です。食欲が減退しがちなので、必要な栄養をしっかり摂りましょう。心身は相互に影響し合うため、感情だけでなく身体のケアも欠かさないでください。十分な睡眠を取り、仕事で集中できない場合は助けを求めましょう。短期間の抗うつ薬、抗不安薬、睡眠導入剤など、一時的な緩和手段も検討できます。
