受動的攻撃的サイレント・トリートメントの概要と対処法
概要
受動的攻撃的サイレント・トリートメントは、怒りや不満を直接言葉にできず、無言で相手に伝える行動様式です。職場や家庭での対人関係において、無視や遅延、消極的な協力といった形で現れます。
診断
DSM‑IV では「受動的攻撃性人格障害(PAPD)」として分類され、上司や家族からの要求に対し、表向きは従順でも内心では反発し、間接的に攻撃的行動を取ります。
主な症状
- 言葉ではなく行動で怒りや不満を示す(例:故意に遅く仕事をする、約束を守らない)。
- 表面的には協力的に見えるが、実際の遂行は不適切で破壊的になることがある。
- 頻繁な不平やイライラ、議論好きな態度が見られる。
原因
精神分析的視点では、幼少期に養育環境が不十分だった子どもが、親の無関心に対抗する手段として受動的攻撃性を獲得すると考えられます。無視や遅延は、注意を引き、怒りを外部に表すための防衛機制です。
影響
この行動様式は人間関係を悪化させ、長期にわたる否定的感情はうつや不安、自己評価の低下を招きます。怒りが内向きに閉じ込められることで、うつ病のリスクが高まります。
治療・対処法
治療は、感情を建設的に表現できるようにする認知行動療法や対人関係療法が中心です。具体的には:
- 自分の感情や欲求を言語化し、相手に伝える練習。
- 権威者との関係で起こるトリガーを特定し、適切な対応策を学ぶ。
- 責任感と自己概念の向上を図り、自己評価を改善する。
本人が治療を求めにくい傾向があるため、家族や同僚がサポートし、必要に応じて専門家に受診を促すことが重要です。
