地域のジムでのブドウ球菌感染リスク

重要性

ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は人口の約3分の1の鼻や皮膚に常在していますが、存在だけで感染になるわけではありません。かつては主に病院内で問題視されていましたが、近年は抗生物質に耐性を持つMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が、コミュニティ内でも広がっています。特に、寮、軍営、ジムなど、密集した環境での感染が報告されており、接触が多いスポーツジムは注意が必要です。

症状

MRSAの主な症状は、赤い小さな突起(クモの噛み跡に似る)、痛みを伴う膿瘍や皮膚膿瘍、燃えるような赤み、数日経っても治らない切り傷や擦り傷、膿の出る創部、発熱や寒気、息切れなどです。創部の周囲が熱く赤くなることが最もはっきりしたサインです。特に、接触スポーツで皮膚が開いていると感染リスクが高まります。

合併症

MRSAは重篤化すると命に関わることがあります。代表的な合併症は、肺炎、骨髄炎、敗血症、肺膿瘍、髄膜炎、心内膜炎、関節炎などです。特に「肉食菌感染」と呼ばれる壊死性筋膜炎は急速に組織を破壊します。疑いがある場合は速やかに医療機関を受診してください。

予防・対策

  • 手指の徹底的な洗浄(石鹸と温水で約25秒)
  • 水がないときはアルコール系手指消毒剤を使用
  • 共用器具は使用前後に必ず消毒
  • 個人用タオルを持参し、使用後は熱湯で洗濯
  • トレーニング後はすぐにシャワーを浴びる
  • タオル、衣類、石鹸、泳ぎ用具、くし、シェーバーは共有しない
  • 開放創は清潔に保ち、覆ってから使用し、傷が閉じるまで温泉やサウナは避ける

治療

軽症のブドウ球菌感染は抗生物質を使用しなくても自然に治癒することがありますが、重症例は感染部位の排膿と、複数の抗生物質を組み合わせた強力な治療が必要です。処方された薬は指示通りに全量・全期間服用し、途中で中止しないことが重要です。MRSA感染の全体的な生存率は約94%です。

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