安全な現場確認
犠牲者に近づく前に、現場が安全かどうかを必ず確認し、自分や他者が危険にさらされないようにします。安全に近づける場合でも、現場が危険で患者にさらなる危害が及ぶ恐れがあると判断したら、適切な搬送方法として「つかんで引く」ことが推奨されます。救助者が複数いる場合は協力して迅速に搬送します。犠牲者が立てる場合は、背中に腕を回し、背中側に抱えるようにして背負い式に安全な場所へ運びます。
脊椎の固定
外傷のメカニズムから脊椎損傷が疑われる場合は、医療専門家による検査が行われるまで脊椎を固定する必要があります。患者の頭部を手でしっかりと、しかし優しく保持し、頭部を中立位に保つよう指示します。頭部を上下左右に動かさないようにし、搬送中も頭部を保持し続けて脊椎を固定します。
BEAM搬送とログロール
BEAM(Body Elevation and Movement)搬送は、5〜7名の救助者が協力し、1名が頭部を固定しながら患者の持ち上げ・移動・降ろす指示を出す手法です。患者は発見された姿勢のまま搬送します。大腿骨骨折や脊椎損傷など明らかな可動制限がある場合は、可能であれば脊椎ボードに乗せて搬送します。
仰向けで横たわっている患者は、骨盤の横に膝まずき、腕を頭上に回してログロールを行います。体の遠側側に手を置き、もう一方の手を太ももに当て、患者を自分側へ回転させます。このとき体重は自分の太ももに乗せます。ログロール中に脊椎損傷や出血の有無を確認し、必要に応じて脊椎ボードやパッドを下に敷きます。
医療機関への引き継ぎ
高度な訓練を受けた救急隊員が到着したら、患者のケアを正式に引き継ぐ義務があります。これまでの救助手順や患者の既往歴、バイタルサインなどを口頭のSOAPノート(Subjective, Objective, Assessment, Plan)として伝えます。引き継ぎを拒否することは過失による違法行為となります。可能であれば、SOAPノートを書面にまとめて患者に貼付し、後続の救助者や救急室のスタッフが情報を共有できるようにします。
