廃棄物管理で活躍する微生物の役割
バクテリアや真菌などの微生物は、大規模な畜産農場からの排泄物や石油流出、危険化学物質の投棄によって汚染された土壌や水の浄化にますます利用されています。これらの微生物は汚染物質を分解し、無害化するだけでなく、メタンガスなど有用な生成物へと変換することができます。
バクテリアによる石油製品の分解
2010年9月号の『Journal of Environmental Science』に掲載された研究では、電界が土壌中の石油分解効率を高めることが示されました。研究者は、土壌1kgあたり50gの石油を含むサンプルに対し、1.0Vの直流電流を加えると、電場未処理のバクテリアに比べて分解速度が1.6倍向上したと報告しています。
土壌中のアンモニア濃度を微生物で制御
大規模鶏舎から排出される尿素や尿酸は、アンモニアとして環境に流出しやすく、水質・土壌質を悪化させます。『Journal of Environmental Quality』の研究では、酸性化添加剤で処理した鶏糞に特定の真菌が3倍増加し、2週間でアンモニア濃度を大幅に低減できることが示されました。
農薬の分解
疑似菌(Pseudomonas属)などのバクテリアは、汚染水中の農薬を分解します。『Environmental Science and Pollution Research International』の調査では、ポーランドの農薬投棄跡近くの湖に疑似菌を導入した結果、プランクトン数が増加し、湖の健康状態が改善されたことが報告されています。
メタンガスの生成
『Water Research』に掲載された研究では、豚舎廃棄物からメタンを生成するメタン生成菌(Methanomicrobiales)が他の菌株に比べて最も高い収率を示しました。これにより、廃棄物をエネルギー資源として有効活用できる可能性が示唆されています。
