ゴミが引き起こす環境問題とは?
食事後にゴミを出したり、リサイクル品を道路脇に置いたりすると、すぐに忘れてしまいがちです。ゴミが環境や人・動物に与える影響は目に見えにくいですが、実際に深刻な問題を引き起こしています。まずはその実態を知ることが変化への第一歩です。
ゴミの焼却
米国環境保護庁(EPA)は、2002〜2004年に発生した有毒物質ジオキシンとフランの57%が、家庭での裏庭焼却によるものと推定しています。農村部ではゴミ処理の手段として焼却が行われますが、煙に含まれる有害物質だけでなく、灰にも有毒物質が残ります。ポリスチレン、圧力処理木材、漂白剤、染色紙などが混ざると、さらに多くの化学物質が大気中に放出されます。EPAによれば、1世帯が10ポンド(約4.5kg)のゴミを燃やすと、商業用焼却炉が40万ポンド(約18トン)のゴミを燃やすのと同等の大気汚染を引き起こすとされています。
埋立地の影響
焼却せずに適切に処理されたとしても、ゴミは埋立地に残り、貴重な土地を占有します。生分解性の廃棄物が分解する過程で大量の温室効果ガス、特にメタンが放出されます。メタンは二酸化炭素の約70倍の温暖化効果を持ち、地球温暖化に直結します。また、廃棄物の輸送過程で一酸化二窒素(N₂O)も排出されます。
人間への影響
廃棄物が分解すると、土壌や地下水に有害化学物質が浸出し、地域の水源を汚染します。古い焼却炉からは発がん性物質が放出され、呼吸器系の疾患や酸性雨の原因にもなります。さらに、腐敗したゴミはネズミやハエなどの害虫の温床となり、これらが媒介する感染症のリスクが高まります。
海洋への影響
太平洋には「大きな太平洋ゴミベルト」と呼ばれる、米国本土の1.5倍の面積に及ぶ海面プラスチック汚染帯があります。主に分解されにくいプラスチックが漂浮し、魚類が誤食したり、海洋生物が絡まって死亡したりします。古い漁網もウミガメやイルカを捕獲し、生態系に深刻な影響を与えます。世界で25億人が魚介類にタンパク質の20%を依存していることを考えると、海洋汚染は食料安全保障にも直結しています。
