NADH測定手順と解析方法
NAD と NADH は代謝に関わるピリジンヌクレオチドで、ミトコンドリア内で補酵素として機能します。呼吸や光合成などのエネルギー産生反応に必須で、ATP 合成を支える重要な分子です。
必要なもの
- 測定対象の細胞または組織
- NADH アッセイキット
- リン酸緩衝生理食塩水 (PBS)
- ドライアイス
- 加温ブロック(60°C)
- 96ウェルプレート
- 遠心機
- ラベル付きチューブ
- プレートリーダー(分光光度計または蛍光計)
- ボルテックス
- 既知濃度の NADH 標準液
測定手順
- 細胞/組織の洗浄と抽出
冷却した PBS で対象を洗浄し、抽出バッファーに入れた後、ドライアイス上で 20 分、室温で 10 分間処理する。これを 1 回繰り返す。 - 遠心と上清の回収
ボルテックスで 10 秒混合し、5 分間遠心して細胞・組織残渣を沈降させる。上清を清浄なチューブに移す。 - 酵素除去フィルタリング
上清を専用フィルターで濾過し、NADH を分解する酵素を除去する。 - NAD の変性(総 NAD 測定は除外)
上清 200 µL を別チューブに取り、60°C の加温ブロックで 30 分間加熱し NAD を変性させる。その後冷却し遠心し、上清を回収。50 µL を 96 ウェルプレートに移し、各サンプルは二重または三重に配置する。総 NAD (NADt) を測定したい場合は加熱しない。 - サイクリングミックスの添加とインキュベーション
プレートにサイクリングミックスを加えて混合し、5 分間インキュベートする。その後、開発液 10 µL を加えて室温で最大 4 時間反応させ、停止液で反応を止める。最後にプレートリーダーで吸光度または蛍光を測定する。
標準曲線の作成と濃度計算
- 標準液の調製
既知濃度の NADH 標準液を抽出バッファーで希釈し、テストサンプルと同じ最終体積になるように複数濃度を作製する。96 ウェルプレートに同時に配置し、吸光度を測定する。 - 標準曲線の描画
X 軸に濃度、Y 軸に吸光度を取った標準曲線を作成し、各サンプルの平均吸光度から濃度を読み取る。 - NAD/NADH 比の算出
総 NAD (NADt) を測定した場合は、NADt から NADH を差し引き、得られた NAD で NADH を割って比率を求める。
以上の手順で NADH の定量と NAD/NADH 比の算出が可能です。
