発泡スチロール(ポリスチレン)の危険性とは

作業者への影響

ポリスチレンの主成分であるスチレンは、米国環境保護庁(EPA)が「可能性のある発がん性物質」と指定しています。スチレンを扱う工場の作業員は、頭痛や皮膚・眼の刺激、呼吸困難、胃腸障害といった急性症状を訴えることがあります。長期にわたる曝露では、うつ状態など中枢神経系への影響も報告されています。

環境への問題

ポリスチレンは生分解性がなく、細かく砕かれても永続的に残ります。そのため、埋立地での大量廃棄や道路・河川沿いのごみとしての拡散が問題視され、いくつかの国や自治体では使用禁止措置が取られています。また、製造には化石燃料由来の非再生資源が大量に使用され、資源の枯渇とCO₂排出の原因にもなります。

知らずに摂取してしまう危険性

ポリスチレン製の食品容器を電子レンジで加熱すると、スチレンやその他の有害物質が食品に移行することがあります。さらに、容器自体が微細な粒子に分解され、飲食時に摂取されるケースも報告されています。野生動物や魚類は、ポリスチレンが水中に浮遊しているのを誤って食べ、消化管を詰まらせるなどの被害が確認されています。

リサイクルが逆効果になるケース

ポリスチレンは閉ループ型リサイクルが成立しにくく、リサイクルに要するエネルギーは新規製造時よりもはるかに大きくなります。つまり、リサイクルが資源削減に寄与せず、むしろエネルギー消費を増やす結果となることが指摘されています。一部では、リサイクルを謳うことで業界のイメージ向上を狙う「グリーンウォッシュ」的手法とみなされています。

公衆衛生 - 関連記事