安全な飲料水の基準と管理
私たちが日常的に使用する蛇口の水が、安全で清潔であることは当然の期待です。米国環境保護庁(EPA)は、飲料水の安全性を確保するために「National Primary Drinking Water Regulations(NPDWR)」という厳格な基準を設けています。この基準は、化学物質や微生物の許容濃度を定め、適切に処理・濾過された水だけが家庭に供給されるよう管理しています。
化学汚染物質
一部の化学物質は飲料水中に全く含まれていてはならないと定められています。代表的な例として、子どもの発達障害や大人の腎機能障害を引き起こす鉛や、貧血やがんの原因となるベンゼンがあります。水中に微量であっても許容される物質としては、水銀やヒ素などがあり、EPAは最新の処理技術で実現可能な安全限界を設定しています。
微生物汚染物質
EPAは飲料水中の微生物についても厳しく管理しています。致死性肺炎「レジオネラ症」の原因となるレジオネラ菌は、基準で一切許容されません。また、ウイルスも同様に許容濃度はゼロです。水処理施設は定期的なサンプリングと検査を義務付けられ、微生物の有無を常にモニタリングしています。
処理技術
水処理は、源水(川や湖)から飲料に適した水へと変える複雑なプロセスです。まず大きな異物を除去するスクリーンが設置され、続いて凝集(coagulation)と呼ばれる段階で化学薬品を加えて微小な固体粒子をまとめます。その後、沈降・フィルター処理を経て、最後に消毒(塩素や紫外線)で残存微生物を除去します。供給前には必ず水質検査が行われ、基準を満たすことが確認されます。
将来の提案
2011年以降、EPAはさらに安全性を高めるための新たな規制策を検討しています。その一つが飲料水中の放射性ガスラドンの濃度規制です。ラドンは室内空気や水に自然に存在し、がんリスクと関連しています。EPAは州当局と連携し、ラドンの許容上限設定、対策の教育・実施、効果の追跡といった包括的なマルチメディア緩和(MMM)計画を策定中です。
