頭蓋骨における結核の概要とリスク
発症部位
結核は全身のほぼすべての部位に感染しますが、最も頻繁に見られるのは肺です。その他、腹部、リンパ節、泌尿生殖器系、皮膚、脳、骨格系にも発症します。
頭蓋骨結核
骨結核自体は珍しくありませんが、頭蓋骨のような平坦な骨に起こる結核は全骨結核の約1%に過ぎません。文献にはさまざまな症例報告があり、症状や病変の出現パターンは多様です。
発生メカニズム
頭蓋骨への結核は、通常は肺や頸部リンパ節など他部位の一次感染が先行し、二次的に拡がると考えられています。症状が数週間から数か月続くため、初診時に疑われにくいのが特徴です。感染はまず頭蓋骨の内側板に起こり、次第に外側板へと広がり、最終的に穿孔や骨壊死(壊死組織)を引き起こすことがあります。
影響・合併症
- 冷膿瘍や瘻孔(ろうこう)の形成が見られることがあります。
- 単発または多発の病変が前頭骨、篩骨、蝶形骨などに出現します。
- 骨が溶解する骨溶解性病変として呈する例も報告されています。
- 感染が髄膜や脳実質へ拡がると、重篤な中枢神経系合併症を引き起こすリスクがあります。
リスク要因
頭部外傷後に骨結核が発症した例が報告されています。男性に多く見られ、播種性(全身性)結核患者でも発症します。免疫抑制状態—慢性透析、ステロイド療法、HIV感染など—があると、頭蓋骨を含む結核の発症リスクが高まります。
