遺伝子組換え作物(GMO)の負の影響
遺伝子操作は植物学において新しい概念ではありません。トウモロコシ、大豆、イネなどの食用作物は、何十年も前から抗生物質耐性や害虫忌避性といった特性を導入し、作物の品質や収量向上を目指した実験が行われてきました。しかし、遺伝子組換え作物(GMO)を既存の農業に導入することによる潜在的なリスクについては、依然として大きな懸念が存在します。
GMOの変異管理の欠如
GMOが持つ遺伝子は、自然にDNA鎖へと拡散する可能性があります。たとえば、害虫や病原体に対して抵抗性を持つ遺伝子を導入した作物が、近隣の在来植物と交配すると、抵抗性遺伝子が在来植物に流入し、結果として在来植物本来の防御機構が弱体化する恐れがあります。また、GMOには特定の反応を誘導するプロモーター遺伝子が組み込まれており、予期せぬタイミングで遺伝子が活性化され、作物の健康に悪影響を及ぼすリスクも指摘されています。
不要な遺伝子の転移リスク
多くのGMOは、導入効果の確認のために抗生物質耐性遺伝子をマーカーとして組み込んでいます。この耐性遺伝子が作物を通じて食物連鎖に移行すると、消費者が抗生物質耐性菌にさらされ、感染症治療時に抗生物質の効果が低下する可能性があります。さらに、GMOの過程で在来植物に含まれるアレルゲンや毒性物質の遺伝子が変異・増幅され、食品中の有害成分が増加する懸念もあります。
食品チェーンへの意図しないGMO混入
数年前に起きた「StarLink」トウモロコシ事件は、GMO実験の負の側面を象徴する事例です。本来は家畜飼料用に開発されたこのGMOが、ヒト用の食料に混入して流通しました。直接的な健康被害は報告されていませんが、Cry9Cタンパク質がアレルギー反応を引き起こす可能性があるとして、知らずに交配されたGMOトウモロコシを収穫した農家は大きな経済的損失を被りました。
