組織培養技術
組織培養は、高等植物や動物の組織片を生体外で増殖させる自然科学の一分野です。固体基質(ガラスやセルロフィルムなど)や、細胞の栄養を支える複雑な培地を用いて、人工的に条件を整え増殖させます。液体懸濁培養も可能で、細胞生物学、がん研究、ウイルス研究など幅広い分野で活用されています。
培養される細胞の種類
組織培養は「器官培養」と「細胞培養」の総称です。細胞培養では、生体から取り出した生きた細胞を培地に入れて増殖させます。培養は、垂直型と水平型の二種類のラミナーフローホードで行い、空気中の粒子を除去します。培養液は二酸化炭素環境下で維持され、pHを一定に保つために炭酸水素ナトリウムや炭酸が添加されます。顕微鏡で細胞の様子を観察します。
保存方法
培養細胞の長期保存には液体窒素が用いられます。窒素蒸気を使用することもありますが、凍結窒素は細胞内の電解質濃度や脱水、pHを変化させる結晶を生成し、細胞に有害です。凍結によるダメージを防ぐため、グリセロールやジメチルスルホキシド(DMSO)などの凍結保護剤を添加します。培養液の温度は窒素の融点近く(‑130℃以下)に保ち、結晶形成を遅らせます。
安全上の注意点
組織培養はウイルスや有害微生物の潜在的な発生源であるため、安全対策が不可欠です。実験中は実験室内での飲食・喫煙を禁止し、作業後は必ず手指を消毒します。床や作業台は消毒剤で定期的に滅菌し、危険物を扱う際は必ずラミナーフローホードを使用して微生物の拡散を防止します。
