膝全置換術後の圧縮ストッキングの使用
全膝関節置換術は、整形外科医が行う最も大規模で侵襲的、かつ複雑な手術の一つです。手術自体は一般的になっていますが、患者への影響は決して軽くありません。回復は本人の意志と医師の指示に従う姿勢が大きく関わります。その中でも、圧縮ストッキング(圧縮ホーズ)は血栓予防とむくみ抑制に欠かせない道具です。
目的
圧縮ストッキングは見た目も装着感も好ましくありませんが、足全体を均一に圧迫することでむくみを最小限に抑え、血液循環を促進します。循環不全が続くと深部静脈血栓が形成されやすく、血栓が心臓・脳・肺に流れると致命的なリスクがあります。圧縮ストッキングに加えて、抗凝固薬の服用や足のエクササイズも併用すると効果的です。
圧縮ストッキングの着用方法
膝置換術後、手術した脚に圧縮ストッキングが装着された状態で退院します。状況により、もう一方の脚にも装着が指示されることがあります。術後数週間は指示どおりに装着し続けてください。
数日ごとにストッキングを交換し、洗濯が必要です。手洗いまたは洗濯機のデリケートモードで洗い、自然乾燥させましょう。装着・脱脱は難しいため、家族や介護者の手伝いを依頼してください。多少の手間はありますが、血栓予防という大きな効果を考えれば十分に価値があります。
交換時の注意点
洗濯中はもう一足を使用するため、退院時に予備のストッキングを必ず受け取っておきましょう。また、破損や汚損があった場合の入手先も確認しておくと安心です。多くの病院では処方箋があれば無料で交換用を提供してくれます。
使用期間
医師の許可が出るまで、自己判断でストッキングを外さないでください。回復の進み具合や個々の状態により、早めに外せる場合もありますが、最終的な判断は必ず主治医に委ねましょう。医師の指示に従うことが、膝全置換術後の円滑な回復につながります。
