回旋腱板手術後の理学療法ガイド
回旋腱板は上腕骨を包む筋肉と腱から構成され、腕の挙上や回旋を支えます。長年にわたる使用や繰り返しの肩上げ動作により、筋や腱が損傷しやすく、最終的に手術が必要になるケースがあります。
手術
保存的治療(抗炎症薬、スリング装着、ステロイド注射、リハビリ)で改善しない場合に手術が選択されます。裂傷の程度に応じて、部分裂傷ではデブリードメント(腱のトリミング・平滑化)を行い、完全裂傷では腱を縫合して再接合します。手術後は肩を固定し、可動域と筋力回復のために理学療法が必須です。
理学療法
手術直後から理学療法を開始します。肩の可動を促さないと瘢痕組織や拘縮が生じやすいため、術後すぐに連続受動運動(CPM)装置で肩を動かします。入院中は理学療法士の指導のもと、前方・側方へのストレッチを中心とした自宅でのエクササイズを学びます。
ストレッチ運動
疼痛緩和と可動域拡大のために、手術後6〜12週間からストレッチを始めます。温かいシャワーで筋肉を温めてから行うとリラックス効果があります。主なエクササイズは前方挙上と外方挙上です。
前方挙上は仰向けに寝て、患側の腕を肩から上げ、肘を曲げたまま持ち上げます。外方挙上は仰向けに寝り、両手で伸縮性バンドを握り、外側へ引き伸ばす動作です。
筋力強化運動
術後約3か月からウェイトを用いた筋力トレーニングを開始します。代表的なエクササイズは以下の通りです。
- インクラインプレス:背もたれを上げたベッドに仰向けで横たわり、胸へ、続いて上方へウェイトを持ち上げる。
- シッティングプレス:座位で腕を内側へ、続いて上方へ持ち上げる。
- スーペインプレス:仰向けでシッティングプレスと同様の動作を行う。
冷却療法(クライオセラピー)
腱やコラーゲンが損傷すると炎症と疼痛が起こります。氷嚢やアイスマッサージで患部を冷却し、血管収縮と炎症抑制を図ります。アイスマッサージは、氷を入れたフォームカップを凍らせ、凍った氷を直接患部にマッサージする方法です。
冷却機器
氷嚢の欠点(溶けやすい、適用範囲が限られる、時間が短い)を克服する機器として、DonJoy IcemanやPolarcare Cubがあります。DonJoy Icemanは氷水を循環させたパッドで関節を一定時間冷却し、Polarcare Cubは電源不要で同様の効果を提供します。
