中世の医師と外科医が用いた道具と技術

矢抜き器

中世ヨーロッパはほぼ常に戦争状態にあり、外科医は矢で負った傷の処置を求められた。ルッカのテオドリクスは『毎日新しい器具や矢抜きの方法が巧みな外科医によって考案されている』と記している。矢抜き器は傷口にスプーン状の器具を差し込み、矢の先端に固定して、棘がさらに組織を傷つけるのを防いだ。

瀉血(血抜き)

医師も外科医も頻繁に行った処置で、最も一般的な医療行為とされた。理髪師でさえ歯を抜くか血を抜くことが許されていた。血抜きの方法は大きく二つあり、血が吸い込まれるまで体に付着させるヒル(吸血虫)を使用する方法と、短く幅の狭い刃物(フリーム)で静脈を切開し、血を受け皿に集める「静脈切開」法がある。

傷人図

戦場の外科医は「傷人図」と呼ばれる図解を参考にした。これは人体に矢、短剣、剣、槍など様々な武器が刺さった姿を描いた、初期の医療教本のようなものだ。図は多様な外傷の例示に役立ったが、具体的な治療法は示さなかった。外科医は他の熟練外科医から手術手順を学び、医学教育を受けた医師だけが体系的な知識を持っていた。

消毒と麻酔

当時の外科医は消毒の概念が乏しく、代わりにワインで創部を洗浄した。アルコールの殺菌作用があるため、ある程度は有効だった。さらに、ワインと油を混ぜた膏薬を創に当て、消毒と保護を同時に行った。麻酔にはマンドレイク根、アヘン、ヘムロックなどが用いられたが、ヘムロックは強毒であり、麻酔混合液が患者の死亡原因となることもあった。

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