神経筋遮断薬のリスクと対策

医療ミス

NMBAs使用時の医療ミスは16〜37%報告されています。

神経筋遮断薬の最大のリスクは投与ミスです。米ペンシルベニア州では2004年から2009年にかけて154件の医療ミスが報告され、薬剤選択ミスが37%、投与量の誤りが16%以上に上ります。

アナフィラキシー(重度のアレルギー反応)

NMBAsは麻酔中のアナフィラキシーの50〜60%を占めます。

アナフィラキシーは予測不能な重篤なアレルギー反応で、致死的になることもあります。筋弛緩薬が原因となるケースは全体の約半数を占め、迅速な対応が求められます。

誤嚥・窒息リスク

誤嚥防止のために継続的な吸引と頭部挙上が必要です。

神経筋遮断薬は自発呼吸を抑制するため、人工呼吸器の故障は致命的です。また、咳反射が抑えられるため、気管チューブの定期的な吸引と、特に栄養摂取時には頭部を30度以上上げて保持することが必須です。

血栓・循環器系への影響

血圧低下は血栓形成リスクを高めます。

神経筋遮断薬は血圧を低下させ、ヒスタミン放出を促進します。その結果、血栓症や心血管系合併症のリスクが増大するため、深部静脈血栓予防策(圧迫ストッキングや抗凝固薬)の併用が推奨されます。

長時間麻痺(持続性パラリシス)

電気刺激は筋細胞死を抑制します。

薬剤が体内に蓄積したり、腎機能が低下している場合、麻痺が1週間以上続くことがあります。特にステロイドと併用した場合や、単独でも長時間使用した場合に筋細胞死が報告されています。

24時間以上の連続使用患者の5〜10%で持続性麻痺が認められ、抗生物質、カルシウム拮抗薬、マグネシウムはリスクを高めます。呼吸抑制、咽頭障害、低酸素血症などの重篤な副作用が懸念されます。

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬や、最近承認されたスガマデックス(sugammadex)などの逆転薬により、麻痺は迅速に解除可能です。

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