回腸造口術の合併症と対策

回腸造口術とは

回腸造口術は、小腸の最も遠位部(回腸)からの排泄物を結腸・直腸から切り離し、腹壁に開いた開口部へ導く手術です。排泄物は取り外し可能なポーチに収集されます。潰瘍性大腸炎、がん、クローン病、解除不能な腸閉塞などの重症患者に適応されます。

合併症一覧

皮膚刺激

ポーチは皮膚に直接接触し、ベルトで固定されるため、擦れやかさつきが起こりやすいです。アメリカ癌学会は、異常を感じたらすぐに保湿し、潰瘍など重症化した場合は医師の診察を受けるよう勧めています。

栄養不良

回腸造口術後は食物が小腸で止まるため、十分な栄養吸収が得られません。固形薬も吸収が不十分になることがあります。栄養補助食品や特別食、薬剤形の変更が必要です。

下痢と脱水

排泄回数が増えやすく、脱水や電解質バランスの乱れのリスクがあります。生の果物や乳製品、果汁の摂取を控え、ストレス管理が有効です。

閉塞

排泄が4時間以上途絶えると閉塞のサインです。ナッツ類やパイナップルなどの固形食が詰まることや、瘢痕組織がチューブを圧迫することがあります。温浴で緩和できることもありますが、長時間続く場合は速やかに受診してください。

幻肛(ファントムレクトム)

直腸を切除した患者は、残っていない直腸がまだ存在すると感覚することがあります。排便感覚が生じ、トイレに座ると一時的に緩和されることがあります。症状は数年続くことがあります。

短腸症候群

小腸の大部分が失われた場合、食物の消化吸収が著しく低下します。激しい下痢、腹痛、胸やけ、倦怠感、膨満感が主症状です。軽症は食事療法で管理しますが、重症例は経静脈栄養が必要です。

対策と生活指導

合併症の予防には、専門の看護師や栄養士と連携し、適切な皮膚ケア、バランスの取れた食事、十分な水分補給、定期的な医療チェックが重要です。

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