腹腔鏡下胆嚢摘出術
米国では毎年約5万件の胆嚢摘出手術が行われており、最も一般的な手術のひとつです。胆嚢は肝臓の下に位置し、胆汁を貯蔵します。脂肪分の多い食事を摂ると、胆嚢が胆汁を胆管へ押し出し、消化を助けます。多くの人でコレステロール性の胆石ができ、通常は症状を起こしませんが、胆管に詰まると激しい痛みを伴います。食事療法などの代替手段もありますが、根本的な解決策としては腹腔鏡下手術が主流です。
対象者
症状のある胆嚢疾患に対しては、腹腔鏡下手術が標準治療です。ただし、以下のようなケースでは別の治療法が選択されることがあります。
- 妊娠中の患者
- 全身麻酔が耐えられない患者
- 心肺疾患を有する患者
- 既往に大腹部手術があり、癒着が予想される患者
手術の流れ
まず、へそ付近にカニューレと呼ばれるチューブ状の器具を挿入します。その後、カメラと拡大鏡が付いた腹腔鏡をカニューレに通し、内部を可視化します。通常、腹部に3か所の小さな切開を加え、各部位にカニューレを設置します。カニューレを通じて手術器具を操作し、胆嚢を他の臓器から切り離して、いずれかの切開部から摘出します。
シングルポート手術
メイヨークリニック・ミニマルインベーシブ外科センターのクリスティ・ハロルド医師は、単一ポート腹腔鏡下胆嚢摘出術を初めて実施しました。へそのみを利用し、柔軟性のある器具を1本のポートから挿入します。手術条件は従来の腹腔鏡手術と同等で、回復が早く、目立つ傷跡が残らない点が特徴です。
リスク
腹腔鏡下胆嚢摘出術は比較的安全とされていますが、手術全般に伴うリスクは存在します。
- 全身麻酔に伴うリスク
- 術後感染
- 血栓形成
- 胆管損傷(最も重大な合併症)
- 胆嚢摘出後に黄疸が出た場合は、すぐに医師に連絡する必要があります
- 腹部の他臓器損傷の可能性
