全身麻酔とは

全身麻酔は、薬剤を用いて深い睡眠状態、すなわち意識がなくなる状態に導く方法です。全身に痛みを感じさせず、筋肉を弛緩させ、記憶形成を抑制します。現在最も一般的に用いられる麻酔です。

高齢者と全身麻酔

65歳以上の患者は、年間の外科手術の約3割を占めます。若年者とは異なるリスク要因があり、麻酔管理には特別な配慮が必要です。

心臓への影響

高齢者は心臓弁や心室が硬くなりやすく、拡張期圧や拡張機能不全があると、全身麻酔により左心室充填圧が上昇し、肺うっ血を招く恐れがあります。また、洞調律の消失、心拍出量の低下、血圧低下が起こり得ます。

神経系への影響

高齢者は神経伝達物質の減少や脊髄反射の低下、視覚・聴覚の衰えが見られます。感覚低下が情報処理能力を低下させ、術後せん妄や薬剤毒性、転倒リスクが高まります。

注意点

高血圧薬やコレステロール低下薬など、常用薬を服用している場合は、全身麻酔前に必ず担当医に相談してください。麻酔薬は既存の処方薬と相互作用することがあります。