前十字靭帯手術の合併症と対策

手術の概要

前十字靭帯(ACL)は大腿骨と脛骨をつなぎ、膝関節の安定性を保つ重要な靭帯です。スポーツなどで靭帯が断裂した場合、膝の不安定や変形を防ぐために手術が行われます。手術では、断裂した靭帯を除去し、患者自身の腱(自家腱移植)やドナーからの腱(同種腱移植)で新しい靭帯を作成し、スクリューなどで固定します。

血栓(深部静脈血栓症)

術後数週間は足の動きが制限されるため、深部静脈血栓症(DVT)が起こりやすくなります。腫れ、熱感、痛みが主な症状です。血栓が肺や心臓へ流れると致命的な合併症を引き起こす可能性があります。予防策として、弾性ストッキングの着用、抗凝固薬の投与、足首の軽い運動が推奨されます。

感染症

膝に複数の切開を行うため、術後に細菌やウイルスが侵入し感染を起こすことがあります。赤み、腫れ、膿の分泌などが症状です。手術中に静脈内抗生物質を投与し、術後も経口抗生物質を服用しますが、感染のリスクは完全に排除できません。症状が現れたら速やかに医師の診察を受けてください。

関節硬直

靭帯再建後、膝関節や下肢が硬くなり、可動域が制限されることがあります。早期から理学療法を行い、関節の可動域を維持することが重要です。とはいえ、まれに硬直が残るケースもあります。

移植腱のインピンジメント(挟み込み)

移植腱の位置が不適切だと、腱が大腿骨の端部に挟まれ、膝の曲げ伸ばしが妨げられることがあります。軽度の場合はリハビリで改善しますが、症状が強い場合は再手術が必要になることがあります。

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