小児の扁桃摘出術(トンシレクタミー)

扁桃摘出術のガイドライン

扁桃は喉の奥にある肉質の腺で、細菌やウイルスが体内に侵入するのを防ぎますが、感染すると扁桃炎になります。米国耳鼻咽喉科学会(AAO‑HNS)のガイドラインでは、年間に抗生物質で治らない扁桃炎が3回以上ある慢性扁桃炎の子どもや、扁桃が肥大して気道を塞ぎ睡眠障害を引き起こす場合に扁桃摘出術を推奨しています。

手術

手術は耳鼻咽喉科医が全身麻酔下で行う外来手術で、所要時間は30分から1時間です。最も一般的な方法はメスによる冷刀切除ですが、電気焼灼やCO₂レーザーによる方法もあります。手術時に扁桃の上部にあるアデノイド(咽頭扁桃)も同時に除去することがあります。

リスク

大手術と同様に出血、感染、麻酔に対する反応があります。術後5〜8日目に出血が起こることがあり、約5%の子どもが追加の止血や再手術を要します。過度の出血が疑われる場合は、飲み込みが多い、血液が混ざった唾液が出るなどの症状に注意してください。呼吸困難、脱水、発熱、軟口蓋や歯への損傷、喉や舌の腫れ・痛みも報告されています。

回復

手術後約4時間で覚醒し呼吸に問題がなければ退院できます。完全回復には1〜2週間かかります。術後数日は学校を休ませ、激しい運動は最低2週間は控えさせましょう。水分を十分に摂らせ、最初は柔らかく冷たい淡白な食事が適しています。また、感染リスクを減らすために人混みや病気の人との接触は避けてください。

注意点

医師が抗生物質を処方した場合は、指示された期間全て服用してください。鎮痛薬としてはアセトアミノフェンが安全です。イブプロフェン、ナプロキセン、アスピリンは出血リスクを高めるため使用しないでください。特にアスピリンは、レイ症候群という稀で致命的な疾患のリスクがあるため、子どもには絶対に与えてはいけません。

統計

1970年代は子どもの90%が再発性の感染を理由に扁桃摘出術を受けていましたが、2009年にはその割合が20%にまで低下しました。現在は、主に気道閉塞や睡眠障害の改善を目的として手術が行われています。この変化は、扁桃炎や上気道障害の治療方針が変わったことが要因とされています。

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