ヘルニア手術後の感染症について
ヘルニアは腹壁の前部下部にある弱点で、腸管が壁を突き抜けてしまう状態です。内臓がこの開口部からはみ出すと、腸や膀胱、卵巣などが影響を受け、血流が遮断される危険があります。ヘルニア手術は、内臓が外に出るのを防ぎ、既に出ている場合は元の位置へ戻す目的で行われます。通常、入院は24時間未満で済み、回復も早いですが、術後の衛生管理が不十分だと感染症が起こることがあります。
原因
皮膚には常在菌が存在しますが、皮膚が無事であればバリアとして機能します。ヘルニア手術で皮膚が切開されると、常在菌が体内に侵入しやすくなり、傷口で急速に増殖します。
注意点
手術全般と同様に、ヘルニア手術後も感染のリスクはわずかにあります。多くは軽度で診断・治療が容易ですが、稀に重症例では追加の手術が必要になることもあります。術後に違和感や痛みを感じたら、速やかに医師に相談してください。
症状
軽度の感染では、手術部位の圧痛、疼痛、皮膚の紅潮・温感が見られます。重症になると、膿瘍、切開部からの膿の排出、蜂巣炎(皮膚の深部紅斑)、腫脹、切開部から放射状に伸びる赤い線、悪心、発熱などが現れます。
診断
発熱がある場合、血液検査で白血球数の増加や特定の細菌の有無を確認します。必要に応じて創部の培養検査も行われます。
治療
感染が疑われたら直ちに治療を開始します。創部の清浄化と抗生物質の投与が基本です。膿瘍ができた場合は切開してドレーンを設置し、膿を排出させることがあります。重症例では再手術が必要になることもあります。
