肝臓移植後の合併症
肝臓移植は、病変や機能不全がある肝臓を除去し、健康な肝臓と置換する手術です。提供者は生存者からも、亡くなった方からも得られます。肝硬変、肝臓がん、嚢胞性線維症などが原因で肝不全に陥った場合に、移植が必要となります。
2009年1月~5月の期間に、国内で11,908件の肝臓移植が実施されました(Organ and Tissue Donation and Transplantation)。同年8月時点で、肝臓移植の適応とされる患者は103,260人いましたが、提供者は約6,000人にとどまっています。
胆管合併症
移植後、胆管が漏れたり狭窄したりすることがあります。胆管と腸との接合部が十分に癒合しないと、胆汁の流れが妨げられ、瘢痕組織が胆汁の通路を塞ぐこともあります。
出血
手術後に出血が起こることがあります。新しい肝臓はまだ血液凝固因子を十分に産生できないため、出血リスクが高まります。そのため、手術中や術後に血液輸血が必要になることが多いです。
血栓症
血栓が主要血管を塞ぐと、肝臓への血流が阻害されます。血栓が原因で移植肝が機能不全に陥ると、再移植が必要になる場合があります。
感染症
免疫抑制剤の使用により、感染症にかかりやすくなります。急性・慢性の感染リスクは術後しばらくは高いですが、時間とともに免疫系が調整され、リスクは徐々に低下します。
拒絶反応
移植臓器は体内で「異物」と認識され、拒絶反応が起こる可能性があります。拒絶を防ぐために、免疫抑制薬を継続的に服用します。拒絶は手術後数週間以内に最も頻繁に見られ、発熱、黄疸、尿や便の色変化などの症状が現れます。
