掌長筋(Palmaris longus)とは何か?
掌長筋(Palmaris longus)は、手首の屈曲に関与する小さな腱です。全人口の約15%はこの筋が存在しませんが、欠如しても握力や手首の柔軟性に影響はありません。
特徴
多くの人で掌長筋は触知できます。親指と小指を合わせ、拳を握り、同時に手首を屈曲させます。腕の内側を上から下へ走る細い筋が見えるはずです。人によっては一本の帯状に、あるいは二本に分かれたように見えることがあります。
用途
掌長筋は腱移植や長指屈筋の代替として頻繁に利用されます。その長さと太さが移植に適しており、摘出しても手や手首の機能に支障がない点が利点です。患者自身の腱を使用することで、異物導入に伴うリスクも低減できます。
野球選手の怪我と手術
野球の投手は腕や手首の負傷リスクが高く、特に尺側側副靭帯(UCL)の損傷が問題となります。フランク・ジョブ博士が開発した手術では、欠損したUCLを掌長筋を用いて再建します。この手術は「トミー・ジョン手術」と呼ばれ、多くの投手のキャリアを救っています。
