米国外科医会(ACS)の肥満外科に関する基準

肥満治療を専門とする医学分野を肥満外科(バリアトリック)と呼びます。非外科的治療法も多数ありますが、重度の肥満患者に対しては、生活の質を根本的に改善するために外科手術が必要になることがあります。米国外科医会(American College of Surgeons, ACS)は、肥満外科手術に関する基準と規則を策定しています。

病院レベル

  • レベル1病院:過去12か月間に最低125件の肥満手術を実施し、過去2年間の手術データをすべて提出でき、肥満外科部門のディレクターが常駐していることが条件です。

  • レベル2病院:過去12か月間に最低25件の肥満手術を実施した実績が必要です。

  • 外来専門病院:認められる手術は腹腔鏡下調整可能胃バンド術のみです。

外科医の資格要件

  • 全ての肥満手術担当外科医は、以下の条件を満たす必要があります。

    • 一般外科レジデンシー修了後、最低25件の腹腔鏡下調整可能胃バンド術と10件の開腹肥満手術を経験。
    • 肥満外科に関する講習を修了し、2年ごとに最低12時間の学会参加実績を有すること。
    • 独立して実施した最初の5件の肥満手術は、所属病院の外科部長を含む委員会で評価されなければならない。

患者教育

  • ACS認定施設で手術を受けるには、患者のインフォームドコンセントが必須です。そのため、施設は手術前後のケア内容を記載した印刷物を患者に提供しなければなりません。手術後は、栄養、運動、心理、形成外科の各専門家による継続的なサポートを行い、最低1年間は患者とのフォローアップを実施することが求められます。

思春期患者に対する基準

  • 思春期の肥満手術に関しては、教育と生活習慣の改善が最優先とされ、手術は最終手段と位置付けられています。外科医は、対象となる思春期患者が最低6か月間、体重管理プログラムで効果が得られなかったことを証明しなければなりません。また、患者は心理的に成熟していること、インフォームドコンセントを行えることが条件です。レベル2病院は思春期患者への肥満手術を実施できません。

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