アロマセラピーの歴史:古代から現代まで
アロマセラピーとは、植物・樹木・花から抽出したエッセンシャルオイルを用いて、身体的・精神的な健康増進を図る療法です。入浴、マッサージ、チューニング、ディフューザーによる吸入など、さまざまな形で使用され、目的に応じて異なるオイルが選ばれます。たとえば、ティーツリーオイルは咳や皮膚トラブルに、ゼラニウムオイルはストレス緩和や不安軽減に効果があります。
古代エジプト
エジプトでは、最古のエッセンシャルオイル利用が記録されています。杉木から油を抽出する装置を発明し、ミイラ作りにクローブ、シナモン、没薬、ナツメグと共に使用しました。また、入浴後の保湿や香りを楽しむためにオイルが広く利用され、頭に乗せたコーンが溶けて芳香を放つ習慣もありました。
古代ギリシア・ローマ
紀元前48年頃、エジプト征服を通じてギリシア人は香料への関心を高めましたが、実はそれ以前からハーブや香りを薬として用いていました。ヒポクラテスは200種以上のハーブを研究し、効能を体系化。ローマの医師ディオスコリデスは「デ・マテリア・メディカ」と題した著作で600種以上の植物とその治療効果を記録しました。
ペストの時代
14世紀になると、医薬品はカトリック教会の管理下に置かれ、一般市民は入手しにくくなりました。そのため、薬局はハーブやエッセンシャルオイルを組み合わせた独自の調合を始めました。17世紀の黒死病第二波では、香水職人やオイルを扱う者が比較的生存率が高かったとされています。エッセンシャルオイルは天然の抗菌・抗ウイルス作用を持つと考えられています。
フランス近代
20世紀初頭、フランスの化学者ルネ=モーリス・ガットフォッセは、火傷した腕をラベンダー油に浸したところ、痛みが和らぎ傷が速やかに治癒したことを発見しました。この経験からエッセンシャルオイルの治療効果に注目し、1937年に『アロマテラピー:植物ホルモン油』を出版。フランスの医師ジャン・ヴァルネットは手術や精神医学にオイルを応用し、『アロマテラピーの実践』で英語圏にも紹介しました。
現代
近代医学の発展により一時は医療現場から遠ざかっていましたが、インターネットや専門書の普及により一般にも手軽に利用できるようになりました。ジュリア・ローレス著『エッセンシャルオイル事典』や aromaweb.com などが情報源となり、自然志向の健康法として再び注目を集めています。
