過度な発汗に対する中国医学の治療法
中国医学では、すべての生命体に流れる気(エネルギー)が体内の経絡を通って巡ります。気の流れが滞ったり弱まったりすると、様々な身体症状が現れ、逆に症状が気の流れをさらに阻害します。治療はこの気の自然な流れを取り戻すことを目的とし、ツイナ(推拿)や鍼灸、漢方薬を組み合わせて行います。
手足の過度な発汗
手足の多汗は、胃・腸の熱が蓄積し、脾の気虚と湿が不足していることが主な原因と考えられます。ツイナの「押し持ち」手技は消化器系の気流を整えるのに効果的です。鍼灸でも気の流れを改善し、症状緩和が期待できます。処方例としては「大建中湯」や「四君子湯」、五味子と茯苓の組み合わせ、あるいは「六味地黄丸」などがあります。
脇の過度な発汗
肝・胆の湿熱と肝腎陰虚が重なると脇の多汗が起こります。鍼灸やツイナ、または漢方の組み合わせで治療します。代表的な処方は「長丹草」や「六味地黄丸」などです。
頭部の過度な発汗
腎の陽虚に加えて湿熱が滞ると頭部に汗が出やすくなります。ツイナ、鍼灸、漢方を組み合わせて対応し、よく用いられる処方は「寒熱除湿湯」や「芸香陰陳黄加茯苓」などです。
胸部の過度な発汗
心・脾の気虚と心腎陰虚が原因とされます。「桂皮湯」や「天王補心丹」などの漢方が用いられ、鍼灸やツイナで気の流れを整えることも有効です。
上半身全体の過度な発汗
体全体に湿熱がたまることが主因です。マッサージや鍼灸で症状緩和が期待できますが、特に「黄連解毒湯」という漢方がこのタイプの多汗に適しています。
下半身の過度な発汗
下焦(下部の臓器)に湿熱が蓄積すると下半身に汗が出やすくなります。鍼灸やツイナで対処し、一般的には「長丹瀉肝湯」などの漢方が処方されます。
