薬剤の投与経路別吸収速度はどの順序ですか?
薬剤の投与経路別吸収速度の比較
投与経路によって薬剤が体内に取り込まれる速度は大きく異なります。以下に、吸収が速い順に代表的な投与経路をまとめました。
- 静脈内投与(IV):薬剤を直接血管に注入するため、即座に全身循環に入り、バイオアベイラビリティは100%です。最も速い吸収が得られます。
- 吸入(肺):ネブライザーや定量吸入器で吸入された薬剤は肺胞から直接血流に取り込まれ、特に呼吸器系に作用する薬剤で迅速な効果が期待できます。
- 舌下投与(SL):舌の下に薬剤を置くことで、口腔粘膜から血流へ直接吸収されます。肝臓の初回通過代謝を回避でき、速やかな作用が得られます。
- 経皮投与(TD):パッチやゲルなどを皮膚に貼付し、薬剤を皮膚を通して徐々に血流へ放出します。吸収は持続的ですが、上記よりは遅くなります。
- 直腸投与(PR):直腸粘膜から薬剤が吸収され、肝臓の初回通過代謝を部分的に回避します。経口投与に比べて比較的速い onset が得られます。
- 経口投与(PO):錠剤、カプセル、液体などを飲み込む方法で、主に小腸で吸収されます。初回通過代謝の影響を受けやすく、吸収速度は中程度です。
- 頬粘膜投与(BC):頬と歯茎の間に薬剤を置き、口腔粘膜から血流へ吸収させます。舌下投与と同様に肝臓の代謝を回避できますが、吸収速度はやや遅めです。
- 外用投与(TP):皮膚表面に薬剤を塗布し、局所的に作用させます。全身循環にはほとんど入らず、吸収は局所に限られます。
なお、実際の吸収速度は薬剤の化学的性質、製剤形態、患者個人の状態など多くの要因で左右されます。
