海藻の抗炎症作用

炎症やそれに伴う疼痛の代替療法として、海藻抽出物が注目されています。特に、多糖類と呼ばれる大型の糖分子が、組織の腫れ(炎症)を抑える主要な成分であることが明らかになっています。海藻抽出物は、浮腫や血管漏出、炎症性分子の組織への移動を抑制し、炎症コントロールに有望な効果を示しています。

赤色海藻と炎症

食事中のリポ多糖(LPS)は、脳の皮質細胞を早期老化させ、炎症性分子の放出やアポトーシス(細胞死)を誘導します。2011年5月に『Phytotherapy Research』に掲載された研究では、赤色海藻 Lithothamnion corallioides から抽出されたサプリメント「Aquamin」の抗炎症効果が検証されました。Aquamin はカルシウム、マグネシウム、さらに72種類のミネラルを豊富に含み、脳のグリア細胞(神経支持細胞)の炎症を顕著に抑制することが示されました。

原虫に伴う炎症

同じく2011年5月号の『Phytotherapy Research』では、ユーラシア海域で採取された2種の緑藻、3種の褐藻、6種の赤藻の抽出物が、さまざまな病原微生物が引き起こす炎症に対する有効性と安全性を評価しています。寄生原虫 Trypanosoma brucei による炎症は、Dasya pedicellata の抽出物で有意に低減されました。また、1種の褐藻と2種の赤藻は、結核の原因菌 Mycobacterium tuberculosis に対して抗炎症活性を示し、いずれの抽出物もヒト細胞への毒性は認められませんでした。

海藻と浮腫

ブラジル沿岸に分布する褐藻 Lobophora variegata の多糖類が、ラットの足の浮腫(液体貯留)による炎症を抑える効果が、2011年2月号『Pharmaceutical Biology』で報告されています。投与後60〜120分で炎症症状が顕著に軽減され、これは一酸化窒素(NO)の産生促進によるホルモン様作用が関与していると考えられます。これらの結果は、L. variegata の多糖抽出物が炎症治療薬として開発可能であることを示唆しています。

赤色海藻由来多糖の抗炎症効果

2010年8月号『National Product Communications』に掲載された研究では、赤藻 Solieria filiformis の多糖抽出物がラットの足浮腫モデルで抗炎症効果を示しました。300µg の投与で炎症を最大69%抑制し、血液凝固時間を2倍以上延長することが確認されました。これにより、赤藻由来多糖が炎症抑制と血液凝固調整の二重機能を持つ有望な天然成分であることが示されました。

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