歴史

血根(Bloodroot)は、北米全域(フロリダ州からノバスコシア州まで)に自生する花植物です。収穫や破損時に赤い汁が染み出すことから名付けられました。先住民は古くからこの植物を赤染料や薬として利用していました。19世紀中頃、ニューヨークの病院で血根を使用した患者が死亡したという記録があり、その高い毒性が問題視されるようになりました。

承認された用途

血根から抽出されるサングィナリンという化合物は、1983年に商業市場へ投入されました。コルゲートはこの成分を「Viadent」シリーズの歯磨き粉やマウスウォッシュに採用しましたが、現在は主にハーブ系・自然派製品に残っています。サングィナリンは抗菌作用があるとされ、プラークや歯肉炎(ジンジバリ)予防に期待されています。2003年、米FDAは少量のサングィナリンは歯科衛生製品での使用は安全と認めましたが、有効性については公式な評価を行っていません。

未承認の用途

一部のハーバリストは、血根を微量で外用し、白癬やいぼ、皮膚感染症の治療に用いることがあります。また、喉の感染や喘息・重度の鼻づまりに対しても使用例が報告されています。さらに、がん抑制効果を期待する声もありますが、摂取は厳禁とされ、妊娠中や授乳中の使用は特に避けるべきです。

リスクと注意事項

FDAはサングィナリンの歯科製品使用は安全としていますが、口腔や咽喉の前癌状態(口内炎や白斑)と関連する可能性が指摘されています。外用ペーストでも重篤な皮膚炎が報告されており、2005年には血根ペーストを乳がん患者に処方したハーバリストが有罪判決を受けました。現在のところ、血根の医療的有効性を裏付ける決定的な研究は存在しません。