腰痛に効くボズウェリア(乳香)

ボズウェリア属(Boswellia)に属するインド産のBoswellia serrataと、北アフリカ・サウジアラビア産のBoswellia carteriiの樹脂は、古代インドのアーユルヴェーダで2000年以上にわたり使用されてきました。樹脂は「乳香(フランキンセンス)」として知られ、近年は主にBoswellia serrataが関節炎や腰痛の緩和を目的に内服やクリームとして利用されています。実験室レベルの研究でも、抗炎症作用が示唆されています。

対象となる症状

  • 変形性関節症(OA)は40代〜50代に発症しやすく、80歳までに多くの人が罹患します。関節の組織が損傷し、修復過程で軟骨が過剰に生成されると関節機能が低下し、最終的に骨棘(オステオフィート)が形成されます。特に脊椎に骨棘ができると、腰部の神経管を圧迫し強い腰痛を引き起こします。

現行の治療法

  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が主に処方されますが、長期使用は胃腸障害、潰瘍、出血リスクの増大、腎不全や心血管系の合併症リスクを伴います。高齢者では副作用が特に顕著です。

ボズウェリアの可能性

  • 動物実験では、ボズウェリアから抽出された化合物がNSAIDsと同等の抗腫脹効果を示し、胃への刺激がほとんどありませんでした。ヒトを対象とした関節炎治療の試験でも有望な結果が報告されています。

作用機序

  • Boswellia serrata 樹脂の約16%はエッセンシャルオイルで、主成分はβ-ボスウェリック酸です。インドで行われた動物実験により、ボスウェリック酸が炎症を促進する5-リポキシゲナーゼ(5-LOX)の産生を阻害することが確認されています。

研究例

  • 2003年にインド・ナグプールのIndira Gandhi Medical Collegeで実施された二重盲検・プラセボ対照・クロスオーバー試験では、30名の膝関節変形性関節症患者にBoswellia serrata抽出物を投与しました。投与群は膝の痛みと腫脹頻度が有意に減少しましたが、X線画像上の変化は認められませんでした。

現状と評価

  • 2010年時点でのエビデンスは限定的で、さらなる臨床研究が必要とされています。そのため、Healthlineは変形性関節症に対するボズウェリアの評価を「C」ランクとしています。

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