HMB(β-ヒドロキシβ-メチル酪酸)の効果と副作用

HMBは必須アミノ酸ロイシンから体内で生成される代謝産物で、β-ヒドロキシイソ酪酸やヒドロキシメチル酪酸とも呼ばれます。サプリメントとしては、クレアチンやグルタミンと併用されることが多く、筋肉増強や回復を目的に販売されています。現在までの研究は限定的ですが、いくつかの有益な効果が示唆されており、重篤な副作用は報告されていません。

筋肉減少の予防

イギリス・アストン大学の研究では、がん治療で筋肉量が減少した患者に対し、1日3 gのHMB投与が筋肉量の維持に寄与したと報告されています。HMBはユビキチン‑プロテアソーム系のシグナルを抑制し、タンパク質分解を防ぐと考えられています。エイズ患者や高齢者でも同様の目的で使用されています。

筋肉増強・筋力・脂肪減少

ポーランド・ワルシャワの体育大学の実験では、HMBとクレアチンを併用した群がクレアチン単独の群よりも筋肉量と筋力の増加が顕著でした。また、米国イーストテネシー州立大学の研究でも、HMB摂取群は対照群に比べて筋力が向上し、体脂肪が0.3 %多く減少しました。ただし、全ての研究で有意差が確認されたわけではなく、効果は個人差があります。

コレステロールと血圧への影響

アイオワ州立大学がまとめた9件の研究結果によると、HMBは総コレステロールと収縮期血圧を低下させる傾向がありました。これらは脳卒中や心筋梗塞のリスク因子であるため、HMBは予防的に有用と考えられますが、心血管疾患患者を対象とした直接的な臨床試験はまだ不足しています。

副作用と安全性

同報告でも重大な副作用は認められず、短期間の使用で安全性が示唆されています。ただし、長期的な安全性データは不足しているため、妊娠中・授乳中の女性、幼児、重度の肝・腎障害を持つ患者は使用を控えるべきです。また、3 g以上の高用量は検証されていないため、推奨量を守って摂取してください。

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