ミルクアザミ(シリバム・マリアヌム)の特徴と効能

概要

ミルクアザミ(学名: Silybum marianum)は、地中海原産のトゲのある一年草です。葉を傷つけると白い乳液が出ることから「ミルクアザミ」という和名が付けられました。古くから肝臓疾患の治療薬として利用され、キノコ中毒やその他の肝障害に対する解毒剤としても用いられています。

歴史

プルニウス(紀元23〜79年)は、消化管浄化と胆汁排泄促進のためにミルクアザミ抽出物を推奨しました。中世ヨーロッパでは産乳促進や肝臓強壮剤として処方され、16世紀には「メランコリー」(肝機能不全と考えられた)に対する治療薬とされました。19世紀のドイツでは、種子エキスが肝臓疾患の治療に本格的に使用され始めました。

主要成分と性質

ミルクアザミに含まれる主な薬理成分はシリマリンです。シリマリンはシリビニン、シリディアニン、シリクリスチンの3種のフラボノイドからなる抗酸化作用の高い混合物で、主に種子から抽出されます。抗酸化作用により細胞の酸化ストレスを軽減し、老化抑制や肝細胞保護に寄与します。

肝臓保護効果

ハーブ専門家のルジア・バークレイ氏によれば、シリマリンは肝細胞膜の外側を変化させ、毒素の侵入を防ぎます。また、肝細胞の再生を促進し、グルタチオンの枯渇を防ぐことで、アルコールやアセトアミノフェン(タイレノール)などによる肝障害から保護します。

対象となる疾患

アルコール性肝炎、肝硬変、脂肪肝、肝臓中毒、ウイルス性肝炎などでミルクアザミ抽出物が有効とされています。さらに、消化促進、腎上皮機能の改善、炎症性腸症候群(IBS)の緩和、コレステロール低下、乾癬などの慢性皮膚疾患にも期待が示されています。

留意点と研究動向

長年の使用実績によりハーブ療法の分野で高い評価を得ているミルクアザミは、現在、がん、急性ウイルス性肝炎、糖尿病、高コレステロール血症などの治療薬候補としても研究が進められています。欧州では肝臓疾患全般の補助療法として広く利用されています。

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