乾癬に対するキレート療法の概要と評価

原因と標準治療

乾癬の正確な原因は不明ですが、米国皮膚科学会(AAD)によると免疫系の異常が関与している可能性があります。免疫細胞のTリンパ球が活性化され、炎症と皮膚細胞の異常な増殖を引き起こします。通常、皮膚細胞は約30日で入れ替わりますが、乾癬では3〜4日で入れ替わり、銀白色の鱗屑が皮膚表面にたまります。根本的な治癒法はなく、経口薬・外用薬、光線療法、アレファセプやインフリキシマブなどの生物学的製剤が症状緩和に用いられます。

キレート療法とは

本来は体内の重金属除去を目的に開発されたキレート療法は、合成アミノ酸エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を使用します。EDTAは体内に注射され、カドミウム、鉄、鉛、マーキュリー、亜鉛などの重金属と結合し、排泄を促します。米国食品医薬品局(FDA)は重金属中毒の治療としてEDTAを承認していますが、支持者は心臓病やがんなど多様な疾患にも効果があると主張しています。

米国医師会、米国心臓協会、CDC、ACS などの主流医療団体は、重金属中毒以外の適応については科学的根拠がないと指摘しています。現在、NIH の2部門が心臓病に対するキレートの有効性を調査中です。

乾癬へのキレート療法の適用

キレート療法が乾癬や他の疾患に有効と考えられる背景には、体内の微量重金属や毒素を除去することで血液循環が改善し、全身の健康が向上するとする理論があります。従来は静脈内投与が主流でしたが、現在は経口剤も利用され、乾癬治療には経口型が最も推奨されています。

インターネット上には乾癬患者の肯定的な体験談が散見されますが、科学的に有意なエビデンスはほとんどありません。乾癬の根治を目指す全米乾癬財団(National Psoriasis Foundation)の公式サイトでもキレート療法に関する記載は見当たりません。

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