寄生虫療法とクローン病
クローン病は腸の痛みを伴う疾患で、腸内の通常の細菌に対して免疫系が過剰に反応し、炎症や下痢を引き起こすと考えられています。アイオワ大学の研究では、クローン病患者が症状緩和を目的に寄生虫の卵を摂取する実験が行われました。
寄生虫(ヘルミンス)
ヘルミンスは回虫や糸状虫などの寄生虫で、開発途上国に多く見られます。通常は病気を起こさず腸内に留まります。本研究で使用されたのはブタ回虫というヘルミンスです。
理論
開発途上国ではヘルミンスが一般的である一方、クローン病の罹患率は低いことから、寄生虫が免疫反応を抑制しクローン病の症状を和らげる可能性があると考えられています。
結果
元々29名が参加した本研究では、23名が症状の改善を示し、21名は最終的に症状がなくなりました。症状が改善しなかったために脱落した患者が4名、妊娠により脱落した患者が1名でした。
副作用
参加者の中で副作用や症状悪化を訴えた人はいませんでした。
注意点
対象は29名と少数で、単一の研究に過ぎません。有望な結果ではありますが、さらなる検証が必要です。
健康リスク
寄生虫に感染した人が糞便に卵を排出しますが、卵が土壌で数週間受精しなければ新たな宿主に感染できません。そのため、一般人口への健康リスクは低いと考えられます。
