超音波療法を安全に使用するためのポイント

医師が理学療法の一環として、疼痛や疾患の回復を目的に超音波療法を提案することがあります。超音波療法は、超音波装置から発せられる高周波音波を皮膚表面から深部の軟部組織へ伝え、熱エネルギーを加えることで治療効果を得ます。医療機器を使用する以上、適切な操作と安全確認が不可欠です。

仕組み

超音波装置は電源に接続された本体と、手持ちのトランスデューサ(プローブ)から構成されます。医師は治療部位にジェルを塗布し、0.8〜3 MHz の周波数で装置を設定します。プローブを小さな円を描くように5〜10分間動かすことで、熱が均一に伝わります。

機器のメンテナンス

理学療法士や医師は、装置の性能を維持するために定期的(週次または月次)に点検を行う必要があります。超音波出力は±20% の誤差範囲内であること、タイマーや過熱防止機能が正常に作動すること、プローブから均一な熱が放出されることを確認します。

施術者と患者の安全対策

超音波は基本的に安全ですが、以下の点に留意してください。

  • 装置が作動中はプローブを患者の治療部位以外に向けない。
  • プローブはゆっくりと動かし、皮膚に熱点(ホットスポット)ができないようにする。
  • 電源を入れる前に必ずプローブを本体から外し、手に持ったままスイッチを入れない。
  • 痛みや不快感を感じたら直ちに施術を中止する。

使用を避けるべき部位

以下の臓器や粘膜がある部位には超音波を当ててはいけません。

  • 心臓、肺、腎臓、肝臓、腸管
  • 膣、卵巣、精巣、直腸、脳、脊髄
  • 鼻、目、口腔

妊娠中の方は腹部や腰部への照射は胎児に影響を及ぼす恐れがあるため、絶対に避けてください。

禁忌となる疾患・状態

次に該当する疾患がある場合は超音波療法を行うべきではありません。

  • 重度の動脈閉塞症、心疾患、深部静脈血栓症
  • 脊髄披裂(スピナビフィダ)や骨感染、出血性疾患
  • 成長板がある子どもの部位への照射(成長阻害の恐れ)
  • ペースメーカーなど金属インプラントがある部位

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