転移がんの概要と最新治療
進化(転移のメカニズム)
がん細胞は血流やリンパ系を通じて体内の別部位へ運ばれ、そこで生存・増殖し転移巣を形成します。転移巣は原発腫瘍と組織学的に類似した特徴を持ちます。例として、結腸がんの転移細胞は肝臓でも結腸がんと同様の形態を示します。
がん種ごとに転移先は異なります。大腸がんは主に肺と肝臓、乳がんは肝臓・骨・脳・肺が代表的な転移先です。
診断
転移がんは無症状のまま見つかることもありますが、転移部位に応じて症状が現れます。骨転移は激しい疼痛や骨折、脳転移は頭痛や痙攣、肺転移は呼吸困難を引き起こすことがあります。X線やCT、MRI などの画像診断で早期に発見でき、場合によっては原発腫瘍が確認される前に転移が判明することもあります。病理診断では、転移性か原発性かを組織学的に判別します。
重要性
がん死亡の大半は転移が原因です。原発腫瘍は乳房、結腸、肺、前立腺など手術で除去可能な部位にできることが多いですが、脳などの重要臓器へ転移すると機能障害を起こし予後が悪化します。例えば大腸がんの5年生存率は約50%ですが、肝臓や肺に転移した場合は約25%に低下します。
ただし、白血病や脳腫瘍のように転移がなくても致死的ながんもあります。
治療法
転移がんの治療は放射線療法、ホルモン療法、手術、化学療法、分子標的薬などを組み合わせて行います。腫瘍の種類、転移部位・サイズ、患者の年齢や全身状態を考慮し、2~3種の治療を併用することが一般的です。
専門家の見解
近年、転移がん治療は大きく進歩しています。例として、結腸がんの転移治療は1950〜1990年代は5-FUが中心でしたが、1990年代後半にイリノテカンやオキサリプラチンが導入され、さらにベバシズマブやセツキシマブといった生物学的製剤が併用されるようになり、生存率が顕著に向上しました。
